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restaurant SIO

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吉兆 嵐山本店 (下)

Monday, December 6, 2010

目と舌で八寸を楽しんだ後はいよいよ佳境に入る。焼き物、炊き合わせ、ご飯と料理人の腕の見せ所がつづく。焼き物はマナガツオの幽庵焼き。部屋に運ばれる前から醤油と味醂の好い香りが漂ってくる。温めた石の上に葉を敷いて持ってくるのは、冷めないという理由の他に、香りを長く楽しむという効果も有りそうだ。

身の柔らかいマナガツオが多いが、この幽庵焼きはしっかりとしていて旨みに富む。銀杏、栗、椎茸と付け合せに秋の装い。

炊き合わせは、ひろうす、里芋、南瓜と京都らしい素材で直球勝負。素材の味を引出すために薄味だが、南瓜は焼いて、菜は火をあまり通さないなど細かいところも気を配っている。異なる素材それぞれを最高の火入れで一つの器に揃えた素晴らしい料理だ。出汁がたっぷりと染んだひろうすは圧巻だった。

ご飯は松茸の炊き込みに炭火で焼いた京赤地どりを添えたもの。吉兆のご飯は蒸らさず直ぐに椀に盛られるので、最初はかなり柔らかく水気が多いと感じる。二膳、三膳とお替りする内にどんどん歯応えが出て来る。炊き上がり時の香りは失われて行くが、逆に米の持つ旨み、甘みが増して来て箸が止まらない。炊き込みご飯の他に白米も用意されており、結局五膳も食べてしまった。

果物にも一切の妥協が無い。今迄これほど旨い柿、メロンは食べたことが無い。好みでリキュールを掛けてもよい。豪快な魯山人の器も素晴らしい。

昼とは言え最後の抹茶まで頂いて約3時間、食事が終わって庭を散策する頃には陽はすっかり傾いて秋の嵐山は肌寒い。

料理、器、サービス、設え...全てが完璧だった嵐山吉兆。
懐が許せば毎年でも訪れたいと思った。



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